治療家になるまでのお話しです。

私が幼い頃より、母の両側の股関節に痛みがありましたが、上手く付き合い「スキー」「バトミントン」「旅行」「山登り」「野草観察」と身体を動かすのが好きな人でした。

私が中学生の頃に股関節の痛みが悪化し、整形外科の通院が始まりました。
病名は「変形性股関節症」です。股関節の軟骨がすり減り、骨が変形し動作や歩行の時に痛みが出る病気です。
通院を続けましたが症状は徐々に悪化しました。

私が高校生の頃、母の股関節は限界を迎え父と話し合い手術を受ける決心をしました。
当時人工関節の寿命が約10年と言われた頃、40代の母はその年齢から、人工関節は使用せず、骨盤の骨を切り取り股関節の上に取り付ける手術が選択されました。
片側の手術を行い、時期をずらし反対側の手術を行いました。
手術は無事成功しましたが、母の股関節の痛みは手術前より悪化してしまいました。

あんなにスポーツや歩く事が大好きだった母が、家の中を這って生活をしていました。
医師によると、手術により神経のどこかに当たっているのが原因で「しょうがない」そうです。

その様な母の姿を見ている事しか出来ない自分が、悔しくてしかたがありませんでした。

そんなある日、恩師の先生と話している時に母の話しになりました。
先生は医師以外にも、人の痛みや身体の悩みを取る職業がある事を教えてくれました。
骨の専門家である、接骨院の先生「柔道整復師」についてです。
その話しを聞き「柔道整復師」になる事を決意しました。

高校卒業後、無事に柔道整復師の専門学校に入学をすることが出来ました。
その頃、母の股関節の調子が悪くなり片側ずつ人工関節の手術を受けました。

人工関節を入れてからは以前より痛みが軽減し、杖をついての歩行が出来る様になりました。
いつも辛そうな顔をしていた母に笑顔が戻り、家族が皆喜んでいました。

その後、私は専門学校を卒業し国家試験を無事合格する事が出来ました。

私が母の笑顔を取り戻す事は出来ませんでしたが、同じ様に身体の不調で悩んでいる方の力になりたいと言う気持ちが更に強まりました。

接骨院インターン時代は、鍼灸・整体・物理療法・リハビリテーション・テーピング等あらゆる施術法をセミナーや勉強会で学びました。
その中で出会ったのが「カイロプラクティック」でした。
運ばれて来た人が歩いて帰る。
何十年と続いた症状が1回で改善する。
その治療法を学ぶ為学校に通いました。

しかし、カイロプラクティックと一言で言っても、メジャーな施術法だけでも約300種類以上、その中で良い施術法を学びたいと勉強し続けている内に、3つの学校を卒業し気づけば11年経っていました。

現在母の股関節には人工関節が入っている為、直接施術をする事は出来ませんが、これ以上関節に負担が掛らない様に、また身体が痛くならない様に施術をしております。
母の股関節を私が治す事は出来ませんでしたが、私の施術で母の笑顔を見る事が出来ました。

世の中には、医師から「これ以上良くならない」「原因が分からない」「我慢するしかない」と言われた方や、「どこに行けばいいか分からない」「ありとあらゆる施術を受けたが変わらない」と悩んでいる方や諦めている方が大勢います。

「全て治せる！」そんな事は言いません。
手術し取り除いた骨、無くなった軟骨、変形を終えた関節など、手を加える事が出来ない場合もあります。

しかし、今までと違う検査とアプローチで、あなたの痛みや症状が変わるかもしれません。
諦める前にご相談下さい。
あなたの笑顔を取り戻すお手伝いをします。